黄色人種であるわれわれ、日本人。の赤ちゃんは、黄疸になりやすいと言われている。
肌が黄色く見える黄疸。
赤ちゃんは肝臓の機能が未熟で、血中にビリルビンという物質が増えてしまう。生後4、5日目からピークで、1週間くらい黄疸が強くなりやすい。らしい。
血中のビリルビンがたまりすぎると、核黄疸という、脳性マヒなど後遺症が残る可能性が高くなってしまう。
そうならないために、赤ちゃんに緑色や青色の光をあてる、「光線療法」というのが40年くらい前から治療法として確立されている。治療による合併症などもほとんどない、赤ちゃんも苦しかったり痛かったりしない治療方法だ。
眩しい光をあてるので、赤ちゃんに目隠しをすることがあるくらいで、光を浴びてる赤ちゃんはすやすや眠るし、辛い思いをする治療ではない。(黄疸が軽度で背中から当てる場合は目隠しは必要ない。重度になると、保育器に入り全面的に光をあてるので、赤ちゃんは裸ん坊で目隠しをされ、全身に光を浴びる。さらに重度になると、光治療ではなく、交換輸血する)
↑背中から当てる光線治療。
普通のベビーコットに機械を敷いて、電源をひいて使う。赤ちゃんは専用の服を着ている。痛かったり熱かったりはしない。目隠しも必要ない。
この服のまま抱き上げて、授乳をすることが出来る。お母さんと一緒にいれる。
**
上の子が、生後すぐ黄疸が高くなり、交換輸血一歩手前の、全身に浴びせる光線治療のためNICUに入った。赤ちゃんの退院も2日延びた。
万一は交換輸血しますという書類にサインもした。交換輸血せずに済み、光治療でビリルビンが下がったので退院できた。しかし、肌は真っ黄色だったし、NICUに入る直前はぐったりして意識朦朧、母乳を欲しがらず寝てばかりで、ちっとも泣かなかった。
母親がO型、赤ちゃんがA型かB型のときに、稀に黄疸が強くなる血液型不適合の黄疸だった。その血液型の組み合わせが必ず黄疸が強くなるわけじゃなくて、何らかの原因で母子間の血液が混ざり、母体の免疫反応が起こり、赤ちゃんの赤血球を攻撃する抗体ができてしまって黄疸が強くなるらしい。普通は母体間で血液は混ざらないので、その血液型の組み合わせでも、過敏になる必要はあまりない。私と上の子は、たまたま何かが悪かったのだ。
今回産んだ2人目も、生後4日目、私の退院の日の朝に黄疸が高くなり、赤ちゃんの退院が最短で2日延びることになった。私は赤ちゃんに別れを告げ、先に1人で退院した。赤ちゃんは背中から光を当てる、軽度の光線治療を始めた。あくまでまだ生理的な黄疸の範囲だ。上の子ほどぐったりもしていないし、ちょっと元気はないけど、よく母乳を飲み排泄がある。とりあえず背中からの光線治療で間に合う程度だ。生理的な黄疸のピークで、ちょっと高めのビリルビン数値が出たから、赤ちゃんがしんどくならないように、早めに治療をしましょうということだ。
私からも、出産した時に上の子の黄疸が強かったこと、2人目も心配なこと、とにかくよくチェックして早め早めの対応をしてほしいことを病院側に伝えてあったので、今回光線治療が始まったことは、病院側がしっかり早めの対応をしてくれているということだ。
とは言え、長い切迫早産の末、なんとか37週0日に、なんとか2500g超えて産んだ子だから、一緒に帰れないのは辛かった。心配してたけど、やっぱり黄疸でちゃったんだ。一緒に帰りたかった。でも赤ちゃんが辛くならないために、重症になる前に、治療して、安心して家で育てられるようにの入院なんだ。
そんな風に、悲しい気持ちと、これでいいんだ、きっとすぐ良くなる、という気持ちが混ざり合って、涙が出た。産後は感情の振れ幅が大きいので、深刻になるほど悲しくなくても、大丈夫って思っていても、涙は出るし、精神的に不安定になりやすいのだ。
泣きたくて泣いてるわけじゃない。すっごく辛いわけじゃない。産後はそういう時期なのだ。
周りにはそれを、知っていてほしい。
私はとりあえず、毎日ビリルビンの治療状況や、検査結果を聞き、赤ちゃんに授乳&搾乳した冷凍母乳を届けに病院に行くことになった。
退院した今日も、夕方また病院に行って、授乳をして、搾乳して母乳を置いてきて、治療の説明を受けてきたところだ。産後の体には辛いが、生後1週間くらいの黄色い初乳という母乳は、赤ちゃんに大切な成分がたくさん含まれているので、飲ませたほうが良いのだ。搾乳分も赤ちゃんにあげてもらい、足りない分は病院がミルクで補ってくれる。
治療は、黄疸のピークが終わるまでか、しっかりビリルビンが下がるのを確認するまでという形になった。光線治療をしているうちに、赤ちゃんの機能が発達して、ビリルビンの代謝が良くなれば自然とよくなる。せいぜい、生後1週間〜10日程度で良くなるらしい。今日は4日目。治療は長引いても1週間程度だ。
赤ちゃんが無事にお腹の中で育って、無事に生まれ、無事に育つというのは奇跡なのだ。お産は最後まで何があるかわからない。生まれてからも何があるかわからない。
2人目だからって気持ちに余裕があるわけじゃない。今はただただ、赤ちゃんが早く良くなり、早く退院するのを願うばかりだ。